HSPさんによくある性格の一つとして、「自分の感情は二の次に考えてしまう」ということがあるでしょう。
なにかやりたいことがあったとしても、相手がしたいことを優先してしまいがち。自分が何か言いかけたとしても、それをグッと飲み込んでしまったりします。
このように、周りの人の気持ちを考えてしまうんですよね。
HSPさんの中には、こういった気質を変えたいと思う人も多いのではないでしょうか。
今回の記事では、そういったHSPさんが自分の感情を二の次に考えてしまう時の対処法について紹介します。
Contents
HSPは様々なところで自分の感情を二の次に考える
誰かと旅行先や夕飯のメニューを決めるといった日常的なことから、進路や購入する住宅の決定等の人生を左右する重要な選択までの多岐に渡ります。
例えば友達と食事に出かける際、自分は和食が食べたかったとしても、相手がイタリアンが良いと言えば、どちらも食べれるファミレスを提案するのではなく「私もイタリアンが良いと思ってた」などど言って同調してしまうことがあるんですよね。
また、進学したい学校があっても、学費が他より高いから親が苦労するだろうと相談する前から諦めてしまったり。
他者と何かを決定する場面、または自分の決定が他者に影響を及ぼす場面で、他者を優先させてしまうのがHSPの特徴です。
HSPが自分の感情を二の次に考える理由とは
HSPが自分の感情を二の次に考えてしまう理由としては、主に2つあります。
一つに自己否定的な性格が根底にあるかと思います。
幼い頃いじめられていた、親や兄弟から過度な干渉を受け、自分の気持ちを抑圧されていた等の経験が、自分が矮小であると思い込ませ、自分の意見がつまらない、周りより劣っていると思い込ませるのです。
そういった考え方が積み重なると、自分の思い、ひいては自分自身をないがしろにしてしまいます。
併せて、思いやりの強い性格の方ほどこういったHSPの傾向は強くなります。
他者と自分を天秤にかけた時、他者の意見を出来るだけ尊重したい。
自分が我慢すれば良いだけのことだと、自己犠牲とも言える考え方に陥りがちになります。
どちらにしても、自己肯定に乏しい、思いやりの強い反面から他者に依存してしまう事が大きな要因だと言えます。
HSPが自分の感情を二の次に考えてしまう時の対処法
では、HSPさんが自分の感情を二の次に考えてしまう時の対処法を紹介します。
主に、以下の5つをピックアップしてみました。
- 自分に自信を持つ
- 自分を愛することが大切
- 提案から始めてみる
- 人の気持ちになって考えすぎない
- 嫌われることを恐れすぎない
具体的に紹介していきます。
①自分に自信を持つ
まずは自分に自信を持つことです。
今までうまくいった試しがないと言う人もいるでしょうが、誰にでもちょっとした成功体験はあるはずで、それがたまたまラッキーだったとか、周りが良くしてくれたからで自分の力ではないと思わないこと。
運を引き寄せた自分、周りに助けてもらえる自分に変えることです。
こういった成功体験の積み重ねを集めていくことが、過去のトラウマから脱却し、自分自身を見つめ直す事に繋がります。
自分が価値のある存在で、他社にも良い影響を与えられるのだという気持ちを呼び起こします。
自分自身を認めてあげることで、矮小だった自分が大切な「私」に変わり、この自己を尊重するために意見を発信しよう、自分を大切にしようと思えるはずです。
②自分を愛することが大切
自分を愛すること。何よりも重要なことです。
自分には良い所がないと言う方もいるでしょうが、不器用な自分も引っ込み思案な自分も、鈍臭いけれど頑張ってるな、と、肯定することが大切です。
家族や恋人、友達から愛情を受け取ることができても、自分自身を愛しておらず、否定的に思っていれば意味がありません。
自分の意見を発信し、自分のやりたいことをする事ができるのは自分しかいないのに、それを放棄してしまえばどうなるでしょうか。とても悲しく不幸なことではないでしょうか。
自分を愛してくれている周りの人々が、そんな不幸を望む筈がない。
自分自身を愛せる「私」は、もっと寛容に、愛情を持って他者にそれを還元していけるのだと、自分のために他者のために考え方を変えていくことが必要です。
③提案から始めてみる
簡単に自分の意見を殺すのではなく、提案から始めること。
例えば先の例で出したように、友達と食べたい物の意見が別れたのであれば、二人共食べたいものが食べれるレストランを提案してみる。
志望校の学費が高いのであれば、アルバイトをするから進学したいと相談してみるなど、自分の考えを諦める前に出せる案はある筈です。
それに渋られたら相手と意見を擦り合わせればいいだけのことで、その提案によって失うものは何もありません。言うだけならタダなのですから。
もしその意見によって、二人とも好きなものが食べられれば万々歳。
もしかしたら折衷案で中華を食べに行ったらとても美味しい店で大満足だったという結果になるかもしれません。
自分の意見が選択肢を増やすのだと前向きに捉えることです。
④人の気持ちになって考えすぎない
あまり人の気持ちになって考えすぎないことも大切です。
自分のことを二の次にしてしまう人は、思いやりが強く、相手の立場だったらと考えすぎることで、自分の意見を押し殺してしまいます。
その優しさは魅力的な正確かもしれませんが、時には周りにも気を使わせてしまいます。
何を言っても賛同してくれるので、逆に従わせているようで心苦しい。
また、自分の意見を持っていない、八方美人だと思われてしまうかもしれません。
良かれと思っていた行動は、自分自身にとっても周りにとっても良くなかったということもありえます。
他者の思いに気持ちを寄せつつも、自分の意見もきちんと発信できる方が、周りも建設的な意見が得られるということもあります。
⑤嫌われることを恐れすぎない
嫌われることを恐れすぎないこと。
こんなことを言った、こんな行動をしたら怒るかも、嫌われてしまうかもと想像して、自分を出せない人も多いのではないでしょうか。
しかし自分をないがしろにし、他者の顔色を伺って行動することになんの意味があるでしょうか。
また、その程度の事で人を嫌ったり遠ざけたりするような人間に、そこまで気を遣う価値は無いはずです。
自分や自分の意見も尊重してくれる人を大切にし、その人との繋がりを密にしていくことのほうがよっぽど重要で、注力すべき事のはずです。
誰でも一人ひとりちがうにんげんですから、合う合わないは必ずあります。
この人とは相性が悪かったんだろうと割り切って考えることも大切です。
HSPが考えを変える時の注意点
まずは頑張り過ぎないこと。考えをガラッと変えるのは容易ではありません。
また、今まで積み重ねてきた自分という人間を真っ向から否定することにもなりかねません。
少しずつで良いのです。これまでの自分も間違っていた訳ではないのですから、少しずつ自分の思いを発信出来る様小さなシフトチェンジをしていけば良いと思います。
また、あの時本当はこう言えば良かった、言いたかったけれど結局飲み込んでしまったということがあれば落ち着いた時に気持ちを書き出したりして整理しましょう。
長らく自分を抑えていることに慣れていると、咄嗟の時に言葉が出てこなかったり、どの様に伝えれば良いか分からなくなったりするものです。
自分の思いを文字にするだけで、考えをまとめ発言に繋げる訓練になります。
HSPが自分の感情を二の次に考えてしまう体験談
私は三姉妹の真ん中です。
姉と妹は活発で気も強いタイプですが、私は幼い頃体が弱く、しょっちゅう学校も休んでいたことからお友達があまりできなく、内向的な性格でした。
お友達と意見を合わせないと嫌われるかもと思ったり、姉や妹の意見に従ったりするうちに人の顔色を伺い、自分のことをあまり表に出さないようになってしまいました。
そんな私を八方美人、なんでもはいはい言うことを聞くと近所のいじめっ子がバカにして追い回したりと、小学生の時はとても辛い経験をしました。
そんな私に転機が訪れたのは大学生の時です。仲良くなった友達に着いて、ジャズのサークルに入りました。そこでは週6日、長期休みも関係なく練習があり、家族以上に一緒に過ごす友人や先輩後輩が沢山できました。
皆サークルをより良いものにしようと意見交換が多くなされる風通しの良い雰囲気だったので、私も少しずつ自分の意見を発信し、周りがそれを認めてくれることで自身もついて自分のことを好きになることができました。
母には大学生になって性格がかなり変わったと言われます。
今でも人に気を使いすぎだと言われますが、これと思ったことはきちんと言える性格になりました。
まとめ
自分の意見や自分自身を二の次にしてしまう方は、幼い頃のイジメや抑圧による外的要因と、他者の気持ちに寄り添いすぎてしまう内的要因によって、いわば呪縛のような形で自分をないがしろにしてしまいます。
それは自分にとっても不幸なことというだけでなく、自分を愛してくれる周囲の人々も悲しませています。
まずは勇気を持って、小さな意見の発信から始めましょう。
始めは難しいことのように感じるかもしれませんが、自分の意見を言うというのは誰でもしていることです。
多少周りと意見が合わなくとも、その時すり合わせをすればいいだけです。
その一歩は自分だけでなく、周りにも建設的な意見を与える大きなメリットとなります。
そのうちきっと、自信が付き、少しずつ自分のことを好きになれるはずです。